
プライナス・さくら-V
W300 D300 H500 響き線内蔵
ボディー[さくら] トップ[ブナ/ミディアム]
とあるイベントで知り合ったインディーズバンド「Prinus(プライナス)」。彼等の音楽がすごくよくて、CDを買いたいと話し掛けたら、これがまたすごくいいやつらで、そのとき僕が持っていたカホンに興味を示していたので、カホンが欲しい時は連絡くださいと言ったらほんとに電話かかってきて、一台オーダーしてくれました。彼等のバンドにはリズム楽器がいなくて、前からカホンを使いたいと思っていたらしく、僕の作るカホンを見て、SIGNのが欲しいと言ってくれたのです。たまたまその日、彼等の演奏にカホンでゲスト出演する機会もあって、がぜん僕は彼等の音楽に合わせたカホンを作りたくなったのです。
やさしく、あたたかい、観客との距離とそこに生まれる空間を大切に、包み込むようなメロディーとヴォーカル・マミちゃんの声を邪魔せず、ときにドラムセットになりまたコーラスのように歌うカホン。そんなのができたらいいな。
ボディーにはさくらをチョイス。カホン用の材として、さくらはなかなか手に入らないけど、僕は一番好きな音質です。やわらかく、アコースティックな演奏に向き、遠くまで届かせるというより、まわりの空気を震わせるような音。トップはブナのミディアムにちょっと加工を加え、低音ののびをよくしました。外観はおとなしめですが、数値には表せない細かな細工が施してあります。
ただイメージした音に近付けるためにこんなに手を加えるところがあるなんて、どれだけの人が理解してくれるのだろう。このさくら-Vのおかげで、ちょっとだけ、プライナスのバンドメンバーになれたような気がしたりして、これからも一ファンとしてずっと応援していきたいです。


さくら-V、そのご
その後、何度か彼等のライブに足を運び、また彼等もうちの工場に何度か訪れてくれたりして、インディーズバンドと家具屋という妙な取り合わせなんですが、なんだか親しくさせていただいてます。
さくら‐Vを作った頃から、またいろいろとSIGNカホンが進化してきたので、そろそろリペアもかねてチューンナップしようかと思い、こっちに来る時には持ってくるように言っていました。持ってきてもらったさくら-Vはだいぶ使い込んであり、いろんなライブで使ってくれているのだなあと、ちょっと嬉しくなりました。
手あかで黒ずんだトップを剥がすと、ワイヤーを固定する部品にヒビが入っていました。これも交換です。かんなでリムの平面を取り直し、トップは同じくブナのミディアムを加工したものを張ります。ワイヤーは2本ずつ調整できる6弦仕様にしました。塗装はつっちゃんさん特製のワックスで仕上げました。手触りがきゅきゅっと吸い付く感じに仕上がり、また座った時に滑りにくくなります。耐久性が知りたかったので、今回試験的に使わせてもらいました。
前よりだいぶ音は良くなったと思います。さくらボディーのこもった低音、ブナトップのパンとしたはり、きめ細かくなった6弦ワイヤーのスネアサウンド。
ちょっと日焼けした色合いもいいかんじ。
次に再会する時はどうなってるのかなあ。またこっち来た時はワックスがけするから持ってきてね。
