V-158リニューアル
2006 年 12 月 14 日 by SIGN
つっちゃんさんのV-158がだいぶ使い込まれていたので、リペアがてらチューンナップさせていただきました。
プロ、セミプロのカホニストの方は、カホンは消耗品だといわれます。うちのアドバイザーのプーさんがそういってました。だから耐久性は重要だと。
確かに合板で作られたものや、量産品では、こんなに荒っぽく使われる楽器は寿命が短くても仕方ないですね。リペア出来ないのにトップがビス止めで交換可能を売りにしてたりして、それでは音質も耐久性も低くて当然です。ボディーだけでも頑丈に作ってればいいのに。
SIGNカホンは重い、とよくいわれますが、硬い無垢板で頑丈に作るとこの重さになります。音質の事を考えて、できるだけ硬く薄く。柔らかい針葉樹で作れば軽くなりますが、音質や音量は落ちてしまいます。その分、厚めの材を使うことになり、結局重くなります。
つっちゃんさんのV-158ですが、まずトップを剥がし、リムを鉋で削りなおし、響き線を4弦だったのを特殊な張り方で8弦に増やし、トップは秘密の加工を施したバーチのハードに張り替えました。そしてつっちゃんさんの御希望だった、コーナーのクリアランスをとって。あとは擦り傷にペーパーをあて、再塗装。オイルフィニッシュは部分的な補修も可能です。すると、
まさにこれぞSIGNカホンという、やばい音に仕上がってしまいました。ほんとにやばい、返したくない。
響き線が複雑な振動を起こすようにしたのと、ボディーがより鳴るように入れた補強材がかなり効果があったようです。ピアニッシモからフォルティッシモまでちゃんと音が出てるし、立ち上がりも抜群、音が切れて速いリズムにも付いてくるし、ダイナミクスをいかしたスローテンポもいける。
とにかく僕好みの音。
あーでも、またV-158はキャンプに連れていかれ、焚き火の前で焙られて、雨にさらされ、こどもにけとばされ、テーブル代わりになるんだろうなあ。
まあ、何度でもリペアしますよ。