おかあさんの仕事机/洋裁
W1500×D402×H610(天板延長300)
材質:タモ、タモ集成材(天板)
塗装:オイル、ワックス
※椅子は付属していません。
ストーリー
山内家のお母さんは小柄な女性だった。
明るく、やさしそうなお母さん。
二人の子供は独立し、今年から趣味と実益を兼ねた洋裁を習いはじめた。
その小柄な身体にあう服はなかなか見つからない。
気に入ったものを探すより、自分で作りたい。そして、孫や娘の服も作れたら。
子供達が巣立っていった今では、そんな自分専用の空間も確保出来る。
「ミシンを置く机がほしいんです」
カーテン越しに光がさす窓際、そこにぴったり納まり、ミシン二台と、ときにアイロン台。天板は必要に応じて延長できるようにと。
そしてなにより、お母さんの身体に合わせた高さであること。
試しにその家のダイニングチェアーに腰掛けてもらった。
スリッパを履いていても足はつま先しかつかない。テーブルは胸の高さだった。
既製品では仕方のないことだが、自分専用の家具なら、家具に自分を合わせる必要はない。
お母さんの仕事机の高さは610。
道具や布や糸をしまう棚は格子にした。
その奥は横にスリットが通り、窓からの光が棚の中にさすように。
この直線の構成の中に、脚は自然木の柔らかなカーブを取り入れ、緻密な作業をささえるあたたかみをデザインに加えた。
この家で、この場所で、これから、
お母さんだけの仕事机。