1.SIGNの木工教室
内容:
うちでできることならなんでも
週一回(土曜か日曜) 9:00~17:00
道具無料貸し出し(持ち込み可)
定員1~2名
料金:2,000円/時間もしくは、定額50,000円で何日でも
材料代別、消耗品代含む
ストーリー

はじめて彼が訪ねてきた時、彼は「家具を作る仕事がしたい」といった。
今勤めている仕事をやめ、木工の勉強をし、いずれ独立。
どこかで聞いたような話だった。
しかしまずどうしたらいいのかわからず、僕のところへ相談しに来たという。
SIGNのことはネットで調べて偶然見つけたのだそうだ。
僕は自分がここに至るプロセスを彼に話した。もちろん、夢ばかりでなく、現実的にも非常に厳しい業界であることも。
それを彼は食い入るように聞いていた。
僕の話を聞き終え、多分彼がここに来るに当たり用意してきたのであろう話を僕に打ち明けた。
ここで働かせてくれないかと。もしくは修行させてほしいと。
しかし、それに対して僕は断らざるを得なかった。
なぜなら、まず人を雇うほど収入はなく、また人を雇わなければならないような仕事はしたくなかったからだ。
SIGNにはSIGNのやりかた、ありかたがある。
そして、弟子を取るほど僕は偉くもなく、優れてもいない。
そんなやりとりがあって、僕はひとつ彼に提案した。
今の仕事を続けながら、週末うちに通って木工教室というかたちで教わるというのはどうだろう。
僕も師匠のところには最初そんな感じ だった。
それをしながらよく考えること。
もちろんこちらは本職になるという前提でメニューを考えるし、そういう教え方をするつもりだと。
彼はひとまずそれで納得してくれたようだった。
それが、SIGNの木工教室のはじまりだった。
それから毎週、仕事の都合で来れない日もあったが、結局彼は1年と2ヶ月、SIGNへ通った。
刃物の研ぎからはじまり、鋸の引き方、鑿の扱い方、簡単な仕口の練習、脚もの箱ものを体験し、ときには僕の仕事を手伝ってもらったり、一緒に納品へ行ったり現場作業をしたり。
教えるといいながら、結構彼には助けてもらった。
工場の前のカウンターを「のこぎりカフェ」と名付け、コーヒーを豆から挽いて入れるのは、いつのまにか彼の仕事になっていた。
都会で働く彼には、週末のこの時間がとても楽しみなんだといっていた。
そしていよいよ、卒業製作にとりかかり、彼が通いはじめてもうすぐ一年が経とうというとき、僕は彼からある決意を聞かされた。
カメラマンになる、というのだ。
カメラマンをやめて家具屋になった僕に木工を教わっていたはずが、確かに時々写真の話を熱く語ったこともあったが、なぜ。
聞けばその理由は僕とは関係ないところでそういう流れになったらしかった。
それにしてもなにかしらの因縁を感じざるを得ない。
SIGNとの出会いが今後の彼にとってよいものであれば、そう願うのみ。
卒業製作のBMSチェアを前に一枚写真を撮った。
12月、なんだか切ない写真になっちゃったなあ。
この時期を見計らったように、来年春から通う新入生がひとり決まり、SIGNの木工教室はとりあえず続く見込み。
2.SIGNのハンドメイド・カホン一日体験教室

SIGNカホン-mini.を作る一日木工教室
12,000円(材料代込み)
現在、mini.のみの受付となっています。
材料などの準備が必要なので、
一週間くらい前にご予約下さい。定員2〜3名。
所要時間は休憩を入れて6〜7時間です。9時からスタート可能です。
ストーリー
ある日、知り合いのミュージシャンである池本氏が、カホンを作りたいから教えて欲しいと言ってきた。
池本氏とはとあるNPOで出会い、あの新潟中越地震の際、被災地へ音楽を届けるプロジェクトを共にした仲間だった。
木工の経験のない池本氏であったが、僕が家具を作っているのを見て自分も何か作りたくなったらしく、カホンなら音楽にも関係しているし、簡単そうだというわけで依頼してきたわけである。
僕も前に、子供用のミニカホンを作ったことがあったし、池本氏と作るのも面白そうだと思い、引き受けた。
カホンとは打楽器であり、僕も詳しく知っているわけではないが、そのルーツはフラメンコにあるらしい。
最初はただの箱を叩いてリズムをとっていたのだが、より演奏に向くように改良され、今ではポピュラーな打楽器として、様々な音楽ジャンルにおいて用いられるようになった。
構造は簡単であり、いわばただの箱であるため、大きさや形状の自由度が広い。
叩くと硬いスラップ音と、バスドラのような低音が出る。
というわけで、個人指導の木工教室が、初めてSIGNで行われたのである。
朝8時にスタートし、たびたび休憩をしながらのんびりと、いろんなおしゃべりをしながら作り方やそのコツを指導していく。
ひとつ行程が終わるごとに、池本氏が感激してくれるので、こちらもノリがよくなってくる。
箱を組み上げ、磨き、着色して、脚を付け、焼き印を押して完成。
当然、できたら叩きたくなる。
ワックスが乾くのを待てずに、ドコドコズタタタ…
にわかにセッションが始まった。
これは楽しい!
こんな木工教室ならいくらでもやりたい。
本立てや花台を作って持って帰ってもらうのよりずっと、作った後の楽しみがあり、なんといっても持って帰る時のわくわく度が違う。
そして、カホンも家具、スツールとして考えるならば、その人に合わせた高さや座面の大きさを調整することも必要だ。
ただの箱でもゴム脚が付いているので案外座り心地も悪くない。
ハイスツールや低くしてリビングスツール、複数作って色を塗りわけ、並べれば結構かわいい。
子供用としても喜ばれそう。
これはちょっと流行らせたいなあ。
もちろん、自分で作った方が楽しいのだが。
