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SIGNのポリシー、オーダーメイド家具の魅力

あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です

製作者:湯浅則夫

全財産でうどんをおごる

今日、写真学校時代の教え子が三人訪ねてきた。
一人は長野県の写真館の息子で、店で写真教室をやりたいというから、少しだけ僕の教え方をアドバイスした。

そんなことをするようになったか。

最近製作日誌を書いていなかった。それは、かなり大きな山に立ち向かわなければならなくなっているから。
大きな仕事という意味ではないが、大きな意味を持つ仕事であり、かつてない難解な仕事であることは間違いない。
何を作るのかさえまだ決まってない、と言うと、仕事自体始まってないのかと思われるかもしれないが、それを話し合う以前に知っておかなければ、見解を持っていなければ、打ち合わせそのものが上滑りしてしまう内容なのだ。

依頼者とは数年前、僕の友人からのつながりで知り合った。今となっては彼とも親しい付き合いではある。
その彼を紹介してくれた友人というのはクリスチャンであり(そういう表現で正しいのか)、依頼者の彼もクリスチャンである。そのつながりで紹介されたものだから、僕にとっては彼をその姿以外で見たことはない。つまり僕としては、彼から家具を作って欲しいと頼まれた時に、その事実を踏まえないことはあり得ないのだ。
その二人の信仰は深く揺るぎないものである。それに対して信仰のない僕が挑まなければならない、ということは選択肢は二つ。全く無視してユニバーサルデザインみたいなものを作るか、それともそれに立ち向かっていくか。
SIGNの家具はどちらかと考えれば、答えはひとつしかない。
予算度外視の大仕事をおっぱじめてしまった。
まずは彼等が信じるイエスについて知らなければならず、聖書を読んでいる。なかなか進まず、いったいいつ作り始められるのか見当もつかない。
同業者が聞いたら笑われそうな話。僕だって商売上ありえないと思う。

境港に行って、水木しげるロードを歩いたら、水木しげるのファンになりそうな、興味がすごく湧いてきた。
点在する妖怪たちのブロンズ像を見ると、彼の描く妖怪たちは三次元的に無理がないことに気付かされる。
大抵の漫画のキャラクターは、立体モデル化すると違和感を感じてしまうのに、彼の描いた妖怪たちは違うのだ。
どの像も、どの角度から見ても、水木しげるが描いた絵に見えるのだ。

そして、どれもかなりメッセージ性が強く感じられる。その存在がすでにひとつの物語になっているかのよう。
水木ファンには申し訳ないけど、妖怪漫画というと子ども向けな気がして、今までそんなに感心はなかった。でも今は、何かを見落としてきた、気付いてなかったという焦りさえ感じる。
直筆の漫画を見なくてはと。

課題のスツールを作る
大学で学生に作らせた課題のスツールを余っていた材料で作った。
これは担当の先生から前に頼まれていたからだった。
知る人ぞ知る有名なデザインのスツールで、そういうものに触れさせたいという担当の先生からのリクエストでこの課題になったのだ。
もともとは機械加工で製作効率とコストパフォーマンスを考えたデザインであり、手加工で作るのは逆に難しい。ましてや初心者にとっては。しかしこれを経験した学生はその矛盾を、自分の作ったいびつなスツールから学び取ることも出来るだろう。
どうすれば商品のような美しい完成度が得られるのか。
完成度が高ければ高いほど、このシンプルなスツールは美しいのだ。
僕もこれを作ってみて、あらためて、これをデザインした人の意図を感じとれたような気がする。
ほんとによく考えられていた。
一脚を作るのに、機械を使うとちょうど一日でできる工程量。シンプルかつ理にかなった構造。見せるための接合部。
デザイナーの仕事は作る者を納得させる力が必要と、次の学生には伝えたい。

SIGNの写真茶話会10

製作日誌はこの記事の下にあります。

お待たせしました。
SIGNの写真茶話会10を開催します。
3月6日(土)
10:00〜12:00 基礎講座 (定員7名)現在予約3名
13:00〜16:00 表現講座 (定員7名)現在予約4名
※今回の参加費はどちらも2,000円です。

お問い合わせ、参加予約はメールにてお願いします。sign.norioyuasa@gmail.comまで。
写真茶話会ってなに?という方は「教室のご案内」をごらんください。

実習道具のメンテナンスに大学へ行ってきた。
本来なら手道具は手入れをしながら使うもの。それをせずに作ることだけ教えることは出来ない。
本職と同じ道具を使わせるのだから、同じ使い方をしなければどんないい道具を揃えても使い捨てと同じ。
授業でもある程度はやり方を教えたが、課題を完成させる方が優先で、そして慌ただしく、出来ている学生はほとんどいなかった。これは僕の教え方にも問題ありか。だから今日のメンテナンスは無償で、担当の先生に実習室を開けてもらい、手伝える学生がいたらと声をかけてもらった。

結果を求める学校としては目に見えるものが欲しいのはわかる。課題作品を並べてよくできましたと言いたいのだ。しかし、それが学生にまで浸透し、結果がすべてという価値観に支配され、課題は効率良く提出できれば良しみたいなことになっては、ものづくりから遠のいていくような気がする。
彼等には、一回使用して道具が使い物にならなくなったとしても負うリスクが何もない。本来の使い方をすれば何十年使える道具であったとしても。

大学で教えるという、求めてもないであろうチャンスに恵まれて欲が出てきたのか、もっと丁寧に教えたい。でもそんなことなど言えない立場しか与えられなかったのは誰のいじわるなのか。そして今の状況からすれば、その優先順位はその位置から上げることはできない。
期間限定のお試しセット。

しかし、声をかけてもらって今日の手伝いに来てくれた学生は、一人二人いればいいかと思っていたら、クラスの半分の人数が集まった。
出来は悪いが、わいわい言いながら60本のノミを研いだ。
担当の先生の「昼飯カレーおごる」が効いたのか、それとも。

今日は京都の岩倉というところへ、師匠の永田さんの納品の手伝いに行ってきた。
新築の家の収納家具一式。キッチンとリビングと。相当な量であることと、ひとつひとつが大きくて、師匠の車一台では運びきれないため、僕とスーパーキャラバンにお呼びがかかったのだった。
師匠の納品を手伝うのは久しぶりだった。修行中に初めて同行した時のことを思い出す。
自分の仕事の製作の部分をほとんど手伝わせることをしない教え方をする人が、「一人では運べないから」という理由を付けて、その時修行中の弟子を連れて納品に付き合わせる。
施主や設計士とのやり取り、家の図面の見方、大工さんや建具屋さんやその他の業者さんたちとの兼ね合いや、自分が作ったものを実際に触れさせて、設置しながら解説まで付いてくる。
僕らにとって、師匠から得る何よりの情報であり、しかも一日に凝縮されている。そんな経験だった。
今日も、久しぶりだったけど、やはり勉強になった。
最近、というか独立してからあまり大きな仕事をしていない僕にとって、師匠の家具で埋め尽くされた空間は圧倒的だった。
「まだまだいける、これからや」そんな声が聞こえてきそうな気がした。
タイムリーだった。
ひとつの仕事にすったもんだしている場合ではない。もっと前へ進まねばと思った。

作品一覧/人が集まるところ カテゴリーに、「枝香庵の収納ベンチ」をアップしました。

作品一覧/リビング カテゴリーに、「つっぱり壁面ハンガー」をアップしました。

作品一覧/そばにあると楽しい カテゴリーに、「楠の一枚板の天板加工」をアップしました。

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