オーダーメイドは日々たたかいですよ
2009 年 11 月 16 日 by SIGN
カラーワックスで着色塗装までできた、おばあちゃんのテーブル。
やっぱり旋盤を使わなくて正解だった。
いくらスケッチや図面でイメージしていても、それが適切かどうかは出来上がってみないとわからない。かといってやり直しや修正は、そうそうできるものではない。
フルオーダーで一点ものの家具を作るというのは、こんなにも挑戦的なものだとは思ってなかった。
シリーズ化したラインナップがあってそこから選んでもらう受注生産が、オーダーメイドだと思われていることが多い。メールでの問い合わせでも、「HPにのってる、〜が欲しい」というケースが今までにもいくつかあった。そういうのも仕事としてはありがたいのだが、僕がやってることはそうではない。だから、いつからか値段を書くのをやめた。いずれ、すべての価格を消去しようと思っている。
ただ、それがどこまで続けられるかが問題だ。ひと月に一点しか作れない時だってある。そんな商売成り立たない。オーダーメイドに価値を感じてくれるお客さんがそんなにいるのかどうかも、今までずっとやってこれたのも不思議なくらいだ。
しかし、その人のためにと考えて作ったものが、出来上がって手渡す時に、その意味を感じて目の前で喜んでもらえる職業なんて、なかなかない。
来年から少しやり方を変えようと計画はしているけど、振り返ってみれば、フルオーダーは面白い。やっぱり捨て難い。
だってこのテーブル、おばあちゃんのテーブルに見えるもんなあ。