作らせる前に作るべきだった
2010 年 2 月 23 日 by SIGN
大学で学生に作らせた課題のスツールを余っていた材料で作った。
これは担当の先生から前に頼まれていたからだった。
知る人ぞ知る有名なデザインのスツールで、そういうものに触れさせたいという担当の先生からのリクエストでこの課題になったのだ。
もともとは機械加工で製作効率とコストパフォーマンスを考えたデザインであり、手加工で作るのは逆に難しい。ましてや初心者にとっては。しかしこれを経験した学生はその矛盾を、自分の作ったいびつなスツールから学び取ることも出来るだろう。
どうすれば商品のような美しい完成度が得られるのか。
完成度が高ければ高いほど、このシンプルなスツールは美しいのだ。
僕もこれを作ってみて、あらためて、これをデザインした人の意図を感じとれたような気がする。
ほんとによく考えられていた。
一脚を作るのに、機械を使うとちょうど一日でできる工程量。シンプルかつ理にかなった構造。見せるための接合部。
デザイナーの仕事は作る者を納得させる力が必要と、次の学生には伝えたい。