その山の向こうにいたんだって
2011 年 5 月 20 日 by SIGN
今日は午前中図面を書いたり送ったり、その後次の仕事に向けて手押し鉋盤の刃の交換調整などをしていたら、昼過ぎに意外な来客があった。
学生時代僕は中古バイクのオークション会場でバイトをしていたことがあった。バイク寮とも言われていた学生寮の仲間といっしょに、週一回。会場には西日本各地からバイク屋さんが集まり、何百台ものバイクが一日かけて競り落とされていく。その会場への引き回し、トラックへの積み込み作業のお手伝いがバイトの仕事だった。
給料は日当制なので働いた日にすぐ金になり、その日の帰りにみんなで贅沢しようとラーメン屋に行くのが定番だった。
当然そんなバイトに来る奴らはみんなバイク好きでそれぞれ個性的なバイクに乗っていたが、原付から大型まで駐車場内だけではあっても色んなバイクに乗れるのが楽しみで、自分の順番が好みのバイクに当たったりしたらかなりテンションが上がり、また乗りたいバイクがあれば友達に変わってもらったりもしていた。
そんなバイク青春時代のバイト仲間が二人、SIGNへやってきたのだ。20年ぶりくらいだった。最初誰だかわからなかった。
一人はスーツを着ていて、一人はラフなカジュアル。そして僕はいつもの作業スタイル。どう見てもおかしな同い年のおっさん3人の再会はまるで異業種交流会。僕一人が久しぶりで記憶喪失になったみたいな感覚だった。
話しながら少しずつ蘇ってくる二人の記憶をたどりながら、昔の顔と今の顔、あの時のあいつと今の彼らがゆっくりと重なってくると妙に存在感が現実化してきて、一杯のコーヒーを飲み干す頃には学生の頃のように思いを語ったり悩みをぶちまけたりしていた。
ものすごく久しぶりなのに、話題はなぜかタイムリーだった。なんだか励まされてしまった。
なんだこの不思議な再会は。
なぜこのタイミングで。
学生時代の自費出版写真集を買ってくれたそいつが、久しぶりに僕の名前を検索して見つけたと言う。
おとといおそるおそるfacebookに登録してすぐの出来事。
また会おう連絡取り合おうと約束して彼等は帰っていった。