SPF.パイン材の家具で新築で
シューズボックス
W1600×D400×H1000
キッチン・バックボード
W1500×D500×H850
材質:SPF(天板、扉、前板)
赤松集成材(箱)
アガチス集成材(引き出し)
タモ(脚部)
塗装:天然オイル、ワックス
ストーリー
こういうヨーロピアンカントリー調の家具というのは、僕自身、自分から作ろうとは絶対思わないが、唯一、理想建築工舎CRAFTさんからの仕事だけ受けることにしている。
別にこだわっているわけではなく、これが良いとか悪いとかでもない。
ただ、この分野で仕事をするならそれなりの知識が必要だと思うのだ。
今の僕にはそこまで手を広げる余裕はない。
そこのところを、CRAFTの堤さんは上手に説明、誘導してくれるのでやりやすい。
というわけ。
SPFという材料は、いわゆるツーバイフォーとか呼ばれる、ホームセンターでも安価で手に入るDIY材料の代表選手。
反ったり割れたり節があったりヤニつぼがあったり、結構荒い木材だが、規格がはっきりしていて、面取りまでしてあるので、日曜大工程度なら、切って組み立てるだけ。
これをいつもの材と同じようにきっちり加工して、磨いて作れば、これがなんとも味のある家具ができるのだ。
松系の木だから、みるみる色は焼けてくるし、針葉樹独特の温かみもある。
しかし、ここで問題は、きっちりやり過ぎると味がなくなるということだ。
雑な感じでちょうどいいと、いつも堤さんには言われる。
それが難しいのだ。
反り返って段差ができて隙間があってラフな感じ。あえてやろうとするとできないもんだ。
なんだかいつもと違う脳みそ使うみたいで楽しい。
今回はCRAFTさんが建てた新築の家の家具。
キッチンがメインだが、
玄関の下駄箱、
和室下の収納、
洗面所の収納など。
バックボードと下駄箱は箱から作ったが、キッチンの調理台と、洗面台は大工工事だったので、僕はそれに扉と引き出しを付けただけ。
だがどうだろう、この雰囲気。
知られざる秘境、秘密の花園。
CRAFTさんの建てる家は高性能でありながら、ディテールは蜜の味なのである。
こんなこと書くと堤さんに怒られそうだが、だから楽しいのである。