あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です
製作者:湯浅則夫
こだわりのオーダーメイド家具をデザインから
あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です
製作者:湯浅則夫
2010 年 2 月 4 日 by SIGN
今日が大学の最後の授業だった。
最終ぎりぎりまで作業をしてやっと全員完成だったので、ばたばたと走り回りゆっくり話す時間もなく、僕も最後の方は疲れが出てきて、ちょっとさびしい終わり方になってしまった。
何もあらたまってお別れを言う立場でもないし、担当の先生から一言を求められた時に何と言っていいのか、いつもの調子で無駄話をし始めそうな自分をおさえてまとまりのない感じになった。
週一回の実習授業というあっさりした関係は、僕にとっては逆に難しい。だからといって彼等に踏み込んでいく必要性なんてどこにもない。
非常勤講師は、どうぞ利用してくださいという気持ちで臨まなければいけなんだなと、やってみてわかった。前は呼ぶ立場だったから、そんな複雑な心境だとは気付かなかったのだ。あの時の先生方に申し訳ない気がちょっとしてきたり。なんで今さら。
こんな授業で教育のことを語るのはおこがましいのだが、やはり教室には学生に対する愛情を持つ権利が与えられないと、先生はやりにくい。知識の伝達装置になりきれるものではない、そんな気がする。
2010 年 2 月 2 日 by SIGN
とうとう最後のKAKISHI-Vが売れてしまった。
SIGNカホン-V3台を残して特価セールを年末で終了しようと思ってて、年末年始の忙しさでそのお知らせをするのをサボってたら、忘れた頃に問い合わせがあった。
そういうもんかもね。未練がましくなってはいけない。
今日発送した。
東京の女性だった。今までやらなかったことに挑戦したくて、カホンに興味を持たれたらしい。
終わらせようとするものから、始めようとするものへ渡って行ったKAKISHI-V。その人のために働いてくれたまえ。
いつかまた今度は自分のために、残ってる材料で1台作ろう。
2010 年 2 月 1 日 by SIGN
銀座への納品も無事終わり、それから今日からスタートした新たな仕事までの数日間に、色々なことをするつもりでいたのに、結局何もできてない気がする。
作品リストへのアップ待ちのコンテンツが少しずつたまってきているので、早くしなきゃ、とか。
新春写真茶話会もあったので、写真モードであったことが言い訳になるだろうか。
スタートしたのは、次の次の仕事で、美容室のオープンシェルフだ。今日大阪の高槻市へ打ち合わせに行ってきた。
一人で経営されている美容室で、開店してから10数年。そろそろ改装を考えてらっしゃるところ、家具の入れ替えもプランにあって、SIGNにお声がかかった。
かなり色んな家具屋を調べて、検討した結果うちを選ばれたらしい。
させていただく仕事の打ち合わせで、1時間ほどお話しさせていただくはずが、3時間半。それ以外の話で盛り上がり、つい長居してしまった。
この美容師の男性、誰かの言葉を借りるならばまさに、魔物であった。
人文科学系美容師。芸術や哲学を語るように美容師という職業を語るその抽斗の多さと、中に詰まっているキーワードの多さに、聞いている僕も圧倒されてしまった。
デザインするのにやはり情報は多いほどいいのだけれど、いやそれを実感したというか、初回の打ち合わせで頭に浮かぶイメージが、まるで写真に写されたような鮮明さにまで解像度が上がったのを初めて経験した。
どんな世界にも面白い人がいるものだ。もしくは面白い人はどんな場所にも広くちりばめられている。
ふたたび言うが、家具屋を始めてから面白い人にしか出逢わない。
2010 年 1 月 21 日 by SIGN
大学の授業も追い込みで、今日はもうばたばた。なんとかみんながスツールを組上げるところまではできた。
次回は仕上げ。師匠の永田さんも来てくださるので、ちょっと気が楽。
とか言ってると、「こんなやり方教えてるんか、こうしたらええのに」とさらっとたたかれそう。
最終日はもう任そうかな。
そんなこんなで、この授業を来年度もやることになった。
昨日、完成した収納ベンチを見に、正月休みだというのに手伝ってくれた自警団の先輩が来てくれた。
「ほう、こうなるのか」と感心していた。柿渋の色も「ええかんじ」と。
僕の仕事を見てもらえてよかった。そして、ちょっと楽しかったみたいで、また何かあったら、といつかまた手伝っていただく約束もした。
さあ、こっちも追い込み。一番大事な仕事、週明けに銀座へ直接納品しに行く。
2010 年 1 月 19 日 by SIGN

納品は25日(月)です。
ソファーのような厚みのあるクッション座面により、意外とゆったり感があり、痛そうで大丈夫かと思われる背もたれの笠木は、高さと角度が計算されてますので案外いけます。この形にしたのにはもちろん使う用途があるんです。
外出していることがありますので、来られる前に電話にてご連絡下さい。
2010 年 1 月 18 日 by SIGN

収納ベンチの柿渋塗装が終わり、蜜蝋ワックスを塗った。
柿渋の塗膜は石のように硬く、手触りもさらさらした感じに仕上がり、それだけでも仕上げとしては十分なのだが、そこに蜜蝋ワックスをコーティングすることでしっとりとした手触りと、濡れ色の柿渋独特の色調が浮き上がってくる。
この生命感ある茶色は、他のどの塗料にもない色だと思う。
そして、乾燥後でも残るあの柿渋の臭いをワックスで抑える効果もある。それでも湿気や水分が付着すればやはり臭いが僅かにするので、あの臭いがどうしても駄目な人には向かないけど。

SIGNでは柿渋というとこの塗り方をするのだが、これを施すだけでなぜか存在感がぐっと増すような気がする。
手間がかかるのであまり受けたくはないが、やるとやっぱりいいなあと思う。
2010 年 1 月 18 日 by SIGN
製作日誌はこの記事の下にあります。
お待たせしました。
SIGNの新春写真茶話会9(早口言葉3回言ってみて)を開催します。
1月30日(土)
10:00〜12:00 基礎講座 (定員7名)
13:00〜16:00 表現講座 (定員7名)現在予約2名
詳しい内容は、Yuasa Brand Milk にて発表します。
お問い合わせ、参加予約はメールにてお願いします。sign.norioyuasa@gmail.comまで。
写真茶話会ってなに?という方は「教室のご案内」をごらんください。
2010 年 1 月 15 日 by SIGN

今回の収納ベンチは、以前作品展示台を納めさせていただいたギャラリーからの注文で、その展示台と同じ柿渋塗装をする。
仕上げ塗装として柿渋を塗るというのは結構手間がかかるし、やっかいだ。せっかく磨いた表面もけば立ってくるし、ムラも出やすい。重ね塗りすると色が変わるので、各部分同じ回数、同じ塗り方をしなければならない。
今日は一回めの塗装をして乾燥をした。乾くと色が想像以上に濃くなる。
柿渋は着色塗料でもあるが、防虫防腐防湿効果と木を引き締める効果もあるらしい。そういう性能を持った、伝統的な天然の木部保護塗料なのだ。
いまどき、もっと手軽な塗料はいくらでもあるけど、これを使えるのはオーダーメイドならでは。手間がかかることを敢えてするという価値を、どこまで買ってもらえるか。
僕のやり方では、一回めの塗装は下地塗りで、柿渋の引き締め効果で表面を安定させるため。一晩乾燥したらこの色を半分くらい削り取って磨いて、二回めの塗装をする。そしてまた乾かして磨く。また塗る。回を重ねる毎に薄くのばすように塗り方も変えていく。そして最後はワックスでコーティング。
漆にすれば、という人もいるかもしれない。それもありだけど、柿渋には柿渋の良さがある。
2010 年 1 月 14 日 by SIGN
今日が終わって大学の授業は、あと2回。
あと2回で18人全員にスツールを完成させなければならない。
ほぼ一人でみているのに、未経験者18人はどう考えても多い気がしてた。ふつう木工教室でもキャパは4、5人だし、うちでは1、2人としているし。
しかし、こういったこともやっぱり、頭も体も順応してくるみたいで、授業開始から終了まで休み時間なしで教室をちょろちょろ歩き回り、一人一人に指導しながら、まるで目まぐるしくテレビのチャンネルを変えるように動くことが出来るようになってきた。
もはや分身の術のようだ。
この大学の特色なのかもしれないが、学生がそれぞれの授業を評価するアンケートなるものがあって、今日その結果を担当の先生から教えていただいた。
こういう授業だから他の教科とは比較しにくいのだが、総合評価が5段階評価で4.2だった。通知表みたい。「かなりいいほうですよ」と先生からは褒めていただいた。
メール連絡のことも然り、最近の大学はすごいなあ。
非常勤だから良くても悪くても、そうですか、で済むけど、准教授や教授になるとかなりどきどきしそう。
そういう意味ではやっぱり非常勤は軽い、らくらくだ。その軽い存在感のせいで、未だに学科長に名前も顔も覚えられてないし、挨拶しても学生だと思われてるのか返事もない。これは気を使わなくていい。このままにしとこ、らくらくだ。
2010 年 1 月 13 日 by SIGN
12坪の工場でこれだけ機械を置いていると、作業スペースはやはり狭く感じる。
組み上がったベンチを作業が進む毎に移動させていると、それだけでひと手間増えている。今回ボリュームもあるので、パーツの多さもあって工場の中をあっちへこっちへ。
今日注文していた柿渋が届いたのだが、塗装の手前で作業を終えざるを得なかった。最近一日が非常に短く感じる。
明日は新年一回めの大学の授業なので、塗装はあさってへ持ち越しか。なかなか先が読めない。
作業があまり進まなかった言い訳にしたくはないが、午前中エホバの証人の人が訪ねてきて、寒風に雪が吹き付けるさなかに来るもんだから、どうぞ中へと入ってもらったら、その人は作業中の家具を見てひとしきり感嘆し、イエスは家具大工をしていたという話になり、職人としてはどうだったんだろうと僕が言うと、その人は「きっと職人としても優れていたに違いないでしょう」と言った。
時間にすれば15分ほどだったと思うが、一日頭の中で尾を引く話だった。
木屑だけでは温度が上がらず寒かったので、午後から一本、ケヤキの薪をストーブにくべてみた。
生木に近いせいかそんなに火力は上がらないものの、ゆっくりと、作業が終わるまで燃え尽きなかった。