あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です
SIGNのポリシー、オーダーメイド家具の魅力
BLUES MANカホンとアコーディオン
2008 年 4 月 22 日 by SIGN
オーダーメイドカホンで以前紹介した、BLUESMANが売れてしまいました。
うちのアートカホンシリーズ第一弾で、塗装のサンプルとしてストックしていたものだったんですが、直接来られて一目惚れで購入されたんです。
それがなかなか面白いめぐり合わせで。
ある日SIGNカホンの大恩人つっちゃんさんから電話があり、知り合いのところでうちのカホンを見た方が、気に入って欲しがってるから連絡してほしいと言われました。
早速電話してみると、笹井啓子さんというアコーディオン奏者の方のプロモーションをされている木村さんという方で、ステージでは伴奏でカホンも叩くという方でした。とにかく音が気に入ったらしいのです。
そして電話するなり見に行っていいですかと言われ、サンプルしかありませんがどうぞということで、お二人でうちの工場を訪れてくださったのです。
最初はオーダーメイドで作る話だったのが、お見せしたBLUESMANをすごく気に入られ、とにかく音も見た目もいい、と絶賛で、お譲りすることにしました。
何度か展示会などで出品したこともあり、その分値引きしたのですが、その値引きした分のコンサートチケットをいただいてしまいました。
それでいろいろお話をしていると、なんと、SIGNでカホンを作るきっかけをくれたアーティストのsaltさんの知り合いで、どうも今までに僕もどこかですれ違ってる可能性があったのです。
なんとふしぎな。
不思議と言えば、その後その笹井啓子さんのコンサートを聞きに行ったときに、木村さんの叩くBLUESMANがすでに木村さんの楽器になっていたことでした。
音質で言うと音域が広くロック向きの元気な音なんですが、やさしい笹井さんのアコーディオンにあわせて叩く木村さんの素朴な叩き方にぴったりはまってるんです。さらに、ステージ上では木村さんのスマートでちょっと不思議な雰囲気に染まり、まるで木村さん以外にこのカホンが似合う人がいないのではと思わせる感じなんです。
で、気になって終わったあとに少し叩かせていただいたんですが、なんか全然フィーリングが違っていて、ほんとに「よその子」になっていました。
ああ、楽器って。いやそういうもんなんでしょうか。
初代Vが雅魚くんお気に入り
2008 年 4 月 6 日 by SIGN
10才の男の子のお母さんからメールで問い合わせがありました。
小柄な息子にあった高さのカホンを作れますかということでした。
彼の名前は雅魚(がお)くん、知的障害をもった男の子でした。音楽サークルでカホンを指導してもらい、カホンという楽器が好きになったみたいです。
しかし、使っているのがその指導してくれる方のもので、当然レギュラーサイズ。雅魚くんには高すぎて不安定だったのです。
メールで仕様について説明し、雅魚くんの身長などを教えてくださいと返事すると、「今度の土曜に行ってもいいですか」とお母さんからメールが来ました。
兵庫県の宝塚市からはるばる家族揃ってSIGNを訪れてくださったのです。
そこで、サンプルとして僕がずっとライブなどで使ってる初代メイプル-Vとミニカホンを見せたところ、雅魚くんはVのほうを叩き出すと夢中で、ミニにも座ってみてよといっても嫌だというんです。
当然足は床についていませんから今までと変わらないわけですが、音の違いが分かるのか、彼なりのダンディズムなのか、こっちがいいというのです。
このタイプで少し低く作りましょうかと話をしている時にも雅魚くんは叩いている、小さくするとその分音質は落ちることになる、もしこの音が気に入ってるのだとしたら。
ちょっと待って、これを横置きで座ってみて。
するともちろん高さは30cmくらいになるので雅魚くんも足がしっかり地面につき、上体も安定している様子。
前にオーダーメイドで側面に脚をつけ、横置きで叩けるようにしたことがあったので、これだとサイズはこのままでいけるのではとお父さんお母さんに説明してみました。
そして、もし雅魚くんが気に入ってくれたのなら、このカホンをお使いになりますかと。
中古ですからできる限りお安くし、側面に脚を取り付け、
僕の愛用初代Vは、これから雅魚くんモデルとして活躍してくれるでしょう。
雅魚くんのホームページを紹介しておきます。
お待たせしました。SIGNカホン、製作再開しました。
再開を待切れず御注文いただいた方々に背中を押され、少しずつですが作っています。
とりあえずミニの問い合わせが多いので、ミニから作っていますがそのうちレギュラーサイズのVシリーズも作るつもりです。
それで、ここでお知らせなんですが、現在のストックをのぞき、次回のロットから価格を変更しようと思ってます。
まだいくらにするか検討中ですが、ミニを少し値上げ、Vシリーズを少し値下げするつもりです。
それにともなってオーダーメイドの方も基本料金値下げとなります。
仕様については、ミニはほぼ変更なし、Vシリーズはサイズを少し低くするつもりです。やっぱり高さ50cmは高いという人が多いので。
さらにただいま研究中の「V-boost」モデルも、いつになるかまだ未定ですが登場する予定です。仕様についてはまだ秘密。興味のある人はお問い合わせください。
近々発売される雑誌「パーカッションマガジン」で、カホン特集やるらしいです。楽しみですね。
SIGNカホンも記事広告の掲載のお誘いがありましたが、残念ながら移転ごたごたの真っ最中だったのでお断りしました。
作る側からすると、他の人はどうしてるのか気になるところなので、今回の企画は日本のカホンをさらに進化させるきっかけになるかもしれませんね。
もうすぐ工場の移転が
2007 年 11 月 21 日 by SIGN
だいぶ日記をさぼっていましたが、移転作業に追われ、そんな気分ではありませんでした。
そんなネタこそブログにもってこいだとは思いますが、性格でしょうか。
この夏から取りかかった移転の話。
どたばたのなかでも、いくつかカホンは作っていましたが、それについての報告は移転完了してからになりそうです。
尼崎、大阪、神奈川、宮崎、その他全国からお問い合わせいただいたみなさん、この場を借りてお礼申し上げます。
ただいま完全に製作をストップしており、予約注文だけ承っています。御迷惑をおかけしますが、もうしばらくお待ち下さい。
今度の工場は自然に囲まれ、すごく環境のいいところです。大阪にも近くなりました。
これからの季節、SIGNの薪ストーブの前で、カホン談義と挽きたてコーヒーはいかがですか?
SIGNカホンのシリアルナンバー
2007 年 7 月 19 日 by SIGN
SIGNカホンの裏面にはシリアルナンバーが書いてあります。
これは、POOLY MODELを#0001として、それ以後製作した順番に番号をつけているのです。
番号は、Vシリーズ、オーダーメイド、mini.に関わらず、とにかく注文を受けた順です。
SIGNカホンの歴史ですね。さて、何番まで続くやら。
今現在のナンバー表はこちら。
サイズダウンで・・・
2007 年 6 月 17 日 by SIGN
栃木の方からオーダーメイドの注文が来ました。
多分女性の方だと思うんですが、身長が155cmで、レギュラーサイズのカホンでは高すぎるそうです。
しかも、音質に関しては「私が希望するカホンは・・・歯切れがよくて、でも低音に余韻が残る音」とのこと。
なるほどなるほど。
低音がのびるようにする方法はありますが、副作用として響き線がびびる可能性があります。それをどうやってミュートするか。
カホンってもともとタイコに比べて残響は短かめですが、トップに少し手を加えるとのびるようになります。カホンから打楽器に入った人は扱いにくいと感じるかもしれませんが、ジャンベやコンガをやってる人はたたき方でうまく使い分けてるようです。うちのアドバイザーのプーさんは歯切れのいい音をものすごい速さで叩かれますね。いろんな音が同時にあちこちから出てるように聞こえるんですよ。
ただ、サイズを小さくしてということですから。うまくできるかどうか。
今考えているのは、ボディーをメイプルで板厚を薄くし、トップをブナのミディアムを加工したものにし、響き線6弦、脚はゴム板ではなくボディーの振動を殺さないゴム脚にする。こんなかんじかな。
早く作りたいけど、取りかかるのは月末かなあ。
杉のミニカホン、おめでたい
2007 年 6 月 16 日 by SIGN
先日、ホームページを見て、愛知県の方から問い合わせがありました。
整骨院をされている先生で、音楽好きの楽器好き。いろんな楽器をお持ちのようです。
そんな中にカホンもあって、あのシュラグヴェルクを使ってるそうです。
シュラグヴェルクといえば、僕をカホン製作にのめり込ませたカホンです。あれよりいいものを作ってやろうと考えて生まれたのがVシリーズなんですよね。
そんな先生には小さなお子さんがいて、そのシュラグヴェルクを足で蹴るもんだから、彼専用のを探してたそうです。
結構子どもサイズのカホンはいろいろ出回っていますが、先生はうちのを選んでくださったんです。
ありがたいなあ。
子どもの使い方というのは恐るべしです。それに耐える強度を持ちつつ、ちゃんと汚れて傷付き、そしてやわらかくあったかい触り心地の杉で作って、植物油と蜜ロウで仕上げます。
汚れてすぐ傷付くのはダメなものと思う人には向きませんが、大事に使いながら、座るとこがだんだんつやが出てきたり、あめ色に変色していく様をきれいだと思う人にはいいと思います。
完成して発送しに行って帰ってくると、先生からメールが届いていました。
「お世話になります。
じつは今日、夜中わが家に
3人目のニューカマー♂が誕生しました。
ミニカホンは彼の誕生祝いに
なりそうです。」
なんと!おめでたいなあ。
アースデイのイベントに参加します
2007 年 3 月 11 日 by SIGN
今年もまた「アースデイ奈良south」というイベントに参加することになりました。
イベントそのものは、「地球環境を考える、行動する」をテーマにしたものですが、野外のステージが組まれ、終日いろんなアーティストがライブをやっています。
そのイベントに、去年のクリスマスに結成した「ケイジャンスパイス」というユニットで出演が決まったのです。相方はSIGNの強力な協力者つっちゃんさん、今回は木工仲間のマーやんを加えて3人です。
基本は和製ブルースなんですが、原曲は歌謡曲やなつかしのフォークソングをアレンジしたもの。メインボーカルとアコースティックギターをつっちゃんさん、エレキギターをマーやん、僕はカホンとアコースティックギターとハープ。なんと歌も少しだけ歌います。一番やること多い!それにギターと歌は初心者レベル!できるのか?!
ただ今練習中でございます。
昔、左手の薬指を電気のこぎりでスライスしてしまい、先の方の感覚がないので、ギターはなかなか音が出ません。必要以上にがんばっております。
なんといっても、ほかのアーティストはプロ、セミプロのうまい人ばかり。なんとあのプライナスも名古屋から来るそうで、つっちゃんさんはあせってるみたいです。
僕はこんなレベルでステージに立つことがまず大変なことなので、もう今さらって感じですけど。
とりあえず今回、ステージ用のカホンとして、一番最初に作ったメイプル-Vを手直ししてみました。
響き線を6弦に増やし、トップはスプルースのソフトに張り替えました。これで、スネアサウンドはより細かくなり、メイプルは高音がよくでるボディーなのでソフトトップとで音域も広くなり、音の分離がよいのでPAさんも楽々。ステージ向きですね。
さて、どんなことになるのやら。
興味のある方は遊びに来てみてはいかが。
4月22日(日)
奈良県橿原市 橿原文化会館前芝生広場(近鉄八木駅下車すぐ)
カホンの音をどう取るか
2007 年 1 月 16 日 by SIGN
こないだの日曜、とある幼稚園で、音楽仲間のsaltさんとURIBOSSAさんと一緒にニューイヤーコンサートというのをやってきました。
園児やその父兄に音楽を届けるというイベントでしたが、やった内容はボサノバやフレーボといったブラジル音楽にアレンジされた童謡やアニメソング、CMソング、歌謡曲、オリジナルもありという盛り沢山で楽しいライブでした。
そのときPAで入ってくれたANANさんが、カホンの音をいい音で取ってくれて、あとで録音を聞いて感激しました。
カホンの音って結構取るのが難しく、実際叩いてる本人に聞こえる音とはかけ離れたものになることが多く、作る者からすればがっかりさせられることがしばしばあります。
そう考えると、サンプル音源をのせているサイトなんかはうまく取ってるなあと思います。後でいじってるのかもしれませんが、素材がちゃんとしてないといじりようもないですから。
逆にいうと、生音以外、マイクを通す場合なら音の取り方次第で、めちゃくちゃ鳴るカホンに聞こえてしまうかもしれません。
もちろん、めちゃくちゃ鳴るカホンならさらにそのポテンシャルを発揮できるはずです。
先日、このブログにマイクの配置と内蔵させる加工についての問い合わせがあったので、今僕が一番最良いと思う配置を紹介しますと、
まず、低音はサウンドホール後方から低いスタンドでねらい、調整で高音をカットします。
この時マイクは中に入れてはダメです。
そして、スネアサウンドは前方、打面斜め上からねらいます。
マイクは2本要りますが、これだけで結構ライブならいけますよ。
もし、もっといい方法を御存じの方がいらっしゃったら、教えてくださーい。
KAKISHI-V-wideのそのご
2006 年 12 月 19 日 by SIGN
ボサノバ用カホンとして作ったKAKISHI-V-wideを買ってくれた横須賀の方からメールが届きました。
大変気に入ってくださったようで、よかったよかった。
音質は予想以上で、作りや仕上げにも感動したということでした。僕のカホンに対する愛情を感じたそうです。
サンプルとしていくつかのイベントで展示したので、もう一度ワックスで磨き、一応中古として値引きをし、トップも硬さの違うやつをスペアとしてお付けしたんです。
僕も気に入ってたモデルだったので、喜んでもらえてうれしいです。
「KAKISHI-V-wide」を「カキシー」と名前をつけて呼んでるみたいです。僕もこれからそう呼ぼう。
次のカキシーはいつ作れるのかな、年明けかな、いや、2月になるのかな。在庫のオークを全部カキシにしようかな。
12月25日のライブイベントで、つっちゃんさん弾き語りのサポートでカホンを叩きます。KAKISHI-V-wideで出ようと思ってましたが、チューンナップしたV-158をまだ返してないので、ちょうどいいからこれで出るつもりです。
V-158リニューアル
2006 年 12 月 14 日 by SIGN
つっちゃんさんのV-158がだいぶ使い込まれていたので、リペアがてらチューンナップさせていただきました。
プロ、セミプロのカホニストの方は、カホンは消耗品だといわれます。うちのアドバイザーのプーさんがそういってました。だから耐久性は重要だと。
確かに合板で作られたものや、量産品では、こんなに荒っぽく使われる楽器は寿命が短くても仕方ないですね。リペア出来ないのにトップがビス止めで交換可能を売りにしてたりして、それでは音質も耐久性も低くて当然です。ボディーだけでも頑丈に作ってればいいのに。
SIGNカホンは重い、とよくいわれますが、硬い無垢板で頑丈に作るとこの重さになります。音質の事を考えて、できるだけ硬く薄く。柔らかい針葉樹で作れば軽くなりますが、音質や音量は落ちてしまいます。その分、厚めの材を使うことになり、結局重くなります。
つっちゃんさんのV-158ですが、まずトップを剥がし、リムを鉋で削りなおし、響き線を4弦だったのを特殊な張り方で8弦に増やし、トップは秘密の加工を施したバーチのハードに張り替えました。そしてつっちゃんさんの御希望だった、コーナーのクリアランスをとって。あとは擦り傷にペーパーをあて、再塗装。オイルフィニッシュは部分的な補修も可能です。すると、
まさにこれぞSIGNカホンという、やばい音に仕上がってしまいました。ほんとにやばい、返したくない。
響き線が複雑な振動を起こすようにしたのと、ボディーがより鳴るように入れた補強材がかなり効果があったようです。ピアニッシモからフォルティッシモまでちゃんと音が出てるし、立ち上がりも抜群、音が切れて速いリズムにも付いてくるし、ダイナミクスをいかしたスローテンポもいける。
とにかく僕好みの音。
あーでも、またV-158はキャンプに連れていかれ、焚き火の前で焙られて、雨にさらされ、こどもにけとばされ、テーブル代わりになるんだろうなあ。
まあ、何度でもリペアしますよ。
URIBOSSAさん来訪
2006 年 12 月 10 日 by SIGN
先日うちの工場にURIBOSSAさんが奥様といっしょに訪ねてくださいました。ギターを持って。
なんと贅沢なことに、工場で何曲か演奏してくださり、例のボサノバカホンで合わせてみることが出来ました。
やっぱりURIBOSSAさんのボサノバはいい!URIBOSSAさんがいい!あれぐらい弾けて歌えたら、と思います。
でカホンは、叩いた本人の感触としては良好。音質音量とも、なかなか生のガットギターとボーカルにマッチしていたように思います。
これはちょっと手放さずに自分用にしようと思っていた矢先、横須賀の方から問い合わせがあり、いろいろ相談した結果、その方に売ることになりました。
カホンも楽器ですから、特にうちのはボディーを無垢板で作ってますので、だんだん音が出るようになってきて、それが楽しみでもあるんです。「KAKISHI-V-wide」もそろそろ出だしたかなというとこだったので、ちょっと惜しい気もしますが、そんなこと言ってたら工場がカホンだらけになってしまうので仕方ありません。あとはその方に委ねるしかないですね。また新しいの作って育てますよ。
そしてこないだ、V用の新しい材料が入荷しました。いつもお世話になっているつっちゃんさんルートで。
今度のはバーチの無垢板です。2、3台分ありそうです。
バーチの合板で作ってるところは多いようですが、無垢板はまだ見たことがありません。(うちで使ってる他の材料もほかではないですが。手間がかかりすぎて。)
さてどんな音がするのでしょう。めちゃくちゃ楽しみです。早く作りたいー。
予想ではさくらに近いのかな、と。もしそうだとすれば…いいんじゃないですかー。
色も今までで一番白い木ですから、トップをブナなんかにするときれいかも。メイプルもいいな。楽しみ楽しみ。
新作メイプル材カホン
2006 年 10 月 16 日 by SIGN
W300 D300 H500 響き線内蔵
ボディー[メイプル] トップ[ブナ/ミディアム]
新作のV-メイプルは、ピアニッシモが出せるカホンを目指しました。
どうしても強く叩く傾向のある楽器ですが、生ギターのそばで、しゃらっと叩くケースもありますよね。また、強く叩くといい音がするのは、強く叩かないと鳴らない楽器とも言えるでしょう。
カホンのような木そのものを叩いて振動させる楽器は、ピアニッシモが出にくい楽器です。だからこそ挑戦のしがいがあるわけです。
腹に響くような低音や、強いアタック音ばかりを求めていないで、そっとたたいてもコクのある低音の響きと、手をのせるだけでクリアなスネアサウンドがしゃんと鳴り、パチっとか、クシャっとかじゃなく、カンっと切れるようなリムの高音。それが、僕が求めるVの音です。
新シリーズ、打ち合わせしました
2006 年 10 月 4 日 by SIGN
SIGNカホンの新シリーズの打ち合わせを、ペインターの小橋さんとしました。
新シリーズは、前々から言っているアートカホン、ペイントに目を向け、カホンでアートしようというプロジェクトとしてスタートします。
小橋さんのWall DecoとSIGNのダブルネーム、コラボモデルです。
作品がたまってきたら、展覧会を開くことを目標に、その時々のHOTな内容を含むテーマで製作していきます。
とりあえず、第一弾として、大阪能勢で10/9に行われる憂歌団の木村さんと有山じゅんじさんのライブで、それにちなんだ2台を発表します。
タイトルは「BLUES MAN」と「LEATHER MAN」。
今日打ち合わせした段階ですでに、傑作まちがいなしとふたりで興奮してしまいました。
とにかくかっこいいです。今までのカホンってかっこわるかったんだと気付くはずです。だって世界レベルのカホンが3万円台で買えるんですから。みんなかっこわるいのを我慢して安いのを探してたんでしょ。音がいいとかいって。
日本全国でこれだけカホンを作る人が増えてきて、どれもいい音が出せて当たり前です。いい音は当たり前。あとは自分がいいと思うものにどれだけ粘り強く近付けていけるか。そういう努力がこれから作り手には求められていくんだと思います。今さら、人のノウハウ盗みにいってる場合じゃないですよ。
いろいろ書きましたが、新シリーズのタイトルも決まってます。
「Premium Art Cajon XXX-MAN」です、略して「P.A.C.MAN」パックマンシリーズ、ということで。(ダサイとかいわなーい)
Newトップ、スプルース
2006 年 10 月 3 日 by SIGN
前から注文していたトップが入荷しました。スプルースのソフトとミディアムです。
スプルースはギターのトップに使用されるので御存じの方もいるでしょう。その場合単板が多いのですが、カホンのような打楽器で単板はちょっと危険なので、もちろん合板です。
しかし、見た目がギターのトップのように柾目が美しく、ほかの突き板よりやわらかめなので、どんなふうに仕上がるか楽しみです。
ソフトのほうは手で曲げてみるとどこまでもしなるようで、これは激鳴りの予感です。
低音重視でソフトタッチの人はたとえば、オークのサイズアップボディにスプルースのソフトトップ、背面バーチのハードを張って、細めのワイヤー8弦張りでタバコサンバースト塗装のアートカホン・ブルースマン仕様なんていかが?
今日、V-158のつっちゃんさんが、とある楽器屋で僕が目を付けていたGibsonのSJ-200というギターを「買っちゃった!」って見せびらかしに来たので、このブルースマン仕様ができたら自分専用にして仕返ししてやらないと気が済みません。
新作カホンすごい予感
2006 年 9 月 28 日 by SIGN
10月9日に能勢で行われる、「木村くんと、有山くんと…」というライブイベントで展示させていただくカホンを製作しています。
イベントのタイトルどおり、憂歌団の木村さんと、有山じゅんじさんのライブということで、もしかするとお二人の目に触れるかもしれないし、それを聞きに来るお客さんもきっと音楽好きの方々なんだろうということで、気合いが入ります。
新作はもちろんSIGNカホン-Vで、さらにバージョンアップしているのと、今回アートカホンシリーズの第一作目として、Wall Decoの小橋さんにすごい塗装をしてもらいます。
またここで報告はしますが、実物を見てみたいという方はぜひイベントに足を運んでみてください。
すごいことになってます。こんなのライブで使ったら、めっちゃ目立つこと間違いありません。
わき役的な楽器、安い楽器、自作でも我慢できる安易な楽器、からSIGNカホンはもっと楽器としてのクオリティーの高い、美しい楽器を目指していきます。
写真のカホンはメイプル。ボサノバにもあう繊細なタッチに仕上げるつもりです。
もしかしてスカウト?
2006 年 9 月 21 日 by SIGN
今日、前にここで紹介した塗料メーカーの方と、大阪の材木屋さんが一緒に訪ねて来られました。
ここのブログを見てきたらしいんです。
僕がカホンにそこの塗料を使ってると書いたので、なにやら噂になっていたらしく。
しかし、話を振り返ってみると、なんだったんだろうと思います。
カホンの事や、木工教室の事を聞かれました。その会社でもそういうのをやりたいとか。教えて欲しいとか。
ここまで積み上げたノウハウを簡単には教えられませんし、ましてやVシリーズのことは企業秘密です。
それぐらい僕はカホンのことを大事に考えてるってことです。
しかし、サポートの話だったとしたらどうでしょう。木工教室での講師をするかわりに、塗料使い放題とか、カホンを宣伝してくれるとしたら。これはいい話です。
さて、今後どういう展開があるか。今回限りなのか。
また進展があったら報告します。
旅の音楽家、丸山祐一郎さんからテープと譜面が送られてきました。
開いてみると、ごちゃごちゃっと書かれたタブ符のようなもの、暗号のような数字。そして「イパネマの娘」の楽譜が入ってました。
これじゃ初心者にはわからないよ、と思いながらテープを再生すると…
「こんにちは、湯浅君。PACEのカホンありがとうね…ボサノバギターのレッスンをするよ」なんと、これは丸山さんのギター教室の教材ではなく、僕のためにわざわざ録音してくれたテープだったのです!
20分間、目の前で僕に語りかけるように基礎練習と課題を解説し、ぴったりテープの時間内でおさまっていました。すごい。
で、これはやるしかないな、と思っていたら、池本さんのプロデュースで奈良のNZカフェでボサノバのライブがあったので聞きにいったら、これがまたかっこよくて、Uribossaさんていうんですけど感激して話し掛けたらえらくまたいい人で、カホン作ってるんですと言ったら、「今度遊びに行くよ」と言ってくれました。
ボサノバの演奏でカホンを使う人が増えてきたそうです。
で、ギター買おうと思ってるんですけど、どんなのがいいですか。と聞くと、
「ボサノバやりたいなら、あまりいいのは買わない方がいい。せいぜい6万円くらい。それ以上だと鳴り過ぎてダメ。実際現地のギタリストが使ってるブラジル製のギターって、家具屋の君が見たら、雑な作りでびっくりすると思うよ。」
といって、おすすめの国産の量産ギターメーカーの名前をいくつか教えてくれました。
量産品でいいんだ…
てっきり僕は気合い入れてスペイン製とか国産でも手工ギターがいいのかな、と思っていたら、「クラシック弾きたいの?」と言われ、いやはや楽器とは不思議です。
さらに、「新品買うの?中古をオークションで買ったら?」うーん、そんなもんなのかボサノバって。力の抜けたあの風に流れるような音楽は、楽器を選ぶとこまでお気楽。
というわけで、Uribossaさんに言われたメーカーの6万円クラスのギターを探すと、あったあった。試しに入札っと。え!?簡単に落ちた…8,750円
世の中って。
いいことあったし、今月はカホンいっぱい作ろうっと。
今日、PACE発送しました
2006 年 9 月 6 日 by SIGN
丸山祐一郎さんから追加注文いただいていた、PACEを今朝発送しました。
一台は丸山さんのイメージカラー、もう一台はクリア塗装にどちらもPACEロゴ入りです。
発送したと電話すると、かなり向こうでは盛り上がっていて、なにやら「PACE塾」なるものができたそうです。ボサノヴァやサンバの音楽をみんなで学び、ギターを弾いたり、カホンをはじめ、いろんなパーカッションでリズムを叩いたり、歌ったり。楽しそう。
そこで「塾生?」はPACEカホンをみんな持っているということで、リズムを勉強する教材になってるそうです。
僕は作っては送り続けているだけですが、向こうでずらっと色とりどりのPACEが並んでるのを想像すると、なかなかすごそうです。
「僕も丸山さんにボサノヴァギター習いたいなあ‥」って言ったら、
「通信講座で教えてあげるよ、テープと楽譜をあげるから練習するといいよ。今度会った時に集中講座もしてあげるから。」とあっけなく教えていただく約束をしました。「中古でも、借りるでもいいから、ガットギター用意しておいてね。」と言われ、フォークギター一本欲しいなあと思っていた矢先、ガットギターを探さなければならなくなりました。どなたか、使わなくなったギターがありましたらお譲り、若しくはお貸し下さい。
で、発送する前に写真を取り忘れて、お見せできないのが残念ですが、今回もWall Decoの小橋さんの協力により、またまた美しいPACEに仕上がってました。
今度の展示会では小橋さんとコラボモデルとして、アートカホンに挑戦します。みなさん是非見に来てくださいね。
今、オーダーメイドで注文のあったカホンを同時進行で製作中です。
丸山さんのPACEカホン、幼稚園の先生の黒塗りカホン、なほみちゃんの黄色いカホン。
それぞれ大きさが違うので、工場の中にカホンの家族のようです。
家具の仕事がひと段落して、来月にかけて新作作りまくりますよ。新作はVシリーズで、ボディーはオークとメイプル、部材を少し改善していく予定で、塗装も少し変わったやつをいくつか作る予定です。
販売はここと、10月のイベントでするつもりです。イベントでは多少値引きも考えていますので、SIGNカホン-Vに興味のある方はチェックしてくださいね。
今作ってるのはまた近日中に報告します。
いつもの音楽(他)仲間の池本さんと堤さんと、ぇりかちゃんとで、天理市にある幼稚園でミニコンサートをしてきました。
ギターとジャンベとカホンと、その他いろいろな手作りパーカッションで何曲か演奏し、そのあと園児に楽器を手渡し一緒にどんちゃか合奏したのです。
今回よかったのがバードコール。
池本さんと数日前にうちの工場で汗かきながら作った35このバードコールが、扇風機が30度をこえる空気をかき回す幼稚園のリズム室という広い教室で、園児らの手によって一斉に鳴らされると、一瞬、まるで南国の楽園で、熱帯雨林の森で、さまざまな鳥のさえずりが入り交じった鳴き声を聞いているような気がして、とても幸せな気分になりました。
僕はカホンを叩きながら、ずっとにこにこしてたと、ぇりかちゃんが言ってました。
こんなに単純で、誰にでも演奏できて、楽しい楽器、バードコール。家具屋の特権で端材も利用できるし、これからも作っていこう。
で、その日、保育園の先生がカホンを欲しいと言ってくださり、作らせていただくことになりました。
しかしその注文が「まっ黒」。ペンキなら簡単ですがね…
そういわれて、頭に浮かんだのが、着色オイルではなく、カラーワックスでもなく、墨汁。
前から使ってみたかったんですよ。
それと、Vではなく、パインか杉のSIGNカホンで、ということでしたが、パインはもううちでは使わないことにしたのと、節などのある杉では着色に限界があるので、ボディーになにかほかの集成材を使うことを考えています。
水性なので扱いにくそうですが、にかわが入っているのできっと変な光沢が出そうで楽しみです。
ついでにVにも塗ったやつも作ろう。
オスモの説明会に行ってきました
2006 年 7 月 26 日 by SIGN
カホンに塗る塗料として、僕はオイルとワックスを選んできました。その理由はトップページに書きました。
そして、打面に塗っているのがオスモというドイツの自然派塗料メーカーのワックスでした。
しかし今日、オスモの新製品の説明会があるということで行ってきて、話を聞くと、オスモはただの植物油ではないということがわかりました。
天然系のオイルとは違い、植物油を精製して作られた浸透性の塗料だったのです。
難しい話になるから、これまでにしておきますが、SIGNカホンにとっていい話が聞けたのはまちがいありません。
今まで僕は全部オイルは同類と思っていたからです。分かって使えばかなりパワーアップでしょう。
クリアに関してはもう、仕上がりの面で、ラッカーやウレタンに劣らない塗装が出来そうです。
そして、しっとり手触りは今までどおり天然系ワックスで。
知れば知るほど、の木工の世界、底なしです。
問題はアートカホンの塗装です、これは自然派天然系とはいかなさそう。どうしよっかな。
PACEカホン追加注文していただきました
2006 年 7 月 24 日 by SIGN
旅の音楽家・丸山祐一郎さんの提案で作らせていただいたminiカホン「PACE」が長野県飯山で盛り上がってるようで、先日丸山さんから追加注文をいただきました。
ほんとは7色でひとそろいなんですが、セットを見た方が一つ欲しいと言ってくださり、トップをクリア塗装した上にPACEロゴをいれて作ることになりました。それと丸山さんのイメージカラーに塗ったのを丸山さん自身からのリクエストでひとつ。
やはりロゴの威力はすごいんですね。前から丸山さんにはトップは表現すべきキャンバスだと言われていましたが、質ばかり追い求めてきたのでピンときませんでした。しかしこうなってくると、何もしない方がもったいなく感じてきて、これからSIGNカホンの方向性さえも左右する要素になりそうです。
ウェストビレッジの西村さんにも、V-158の堤さんにも言われたように、美しさや見て楽しめる外観の要素って、考えてみればほかのどの楽器にも、いや、もっとも古い楽器でさえも持っているもので、大昔からみんな楽器には装飾は欠かせないものだったんですよ。
それに気付いてしまったからには、アートカホン、プレミアムカホンのカテゴリーを増やすしかないようですね。たのしみたのしみ。
でもそうなってくると、SIGNカホンの特徴であるオイルフィニッシュからそれていくことも認めなければならず。
別に絶対にこだわるべきところではないけれど、今までの経験上、音質で考えるならばオイルのほうがよくて。
いやいやオイルをやめる必要はないんですよね、どちらもすればいいってことですよ。選べる、メニューが増えるってことでいいですよね。
塗装に対応した材質や構造を考えればいいってことですよ、今までみたいに、研究、研究、そして解決。
今度Wall Decoの小橋さんに相談してみよう。









